2007年05月14日
こういう調査が行われることの、ほんとうの意味はなんだろうか。
「仕事の将来に不安」30歳代の82%…読売ネット調査
30歳代を対象としたネット調査で、「仕事の将来に不安を感じる」人が82%に達したという記事ですが。
この調査を実施してこういう発表をすることの意味というものを、最近は考えてしまいます。
終身雇用が終焉を迎えたのはもう相当に前ですが、別に30歳代に限らず、自分の仕事の将来に不安を感じない人は、現在、この日本にどれほどいるのでしょうか?
国家的財政危機が叫ばれ、地方自治体の多くが疲弊し、すでに破綻する自治体もでている中で、「10年後も20年後も安泰、将来設計を長期的に考えよう」というノーテンキな30代が、そうそう多くいるわけがない、と思うのですが。
個人的には、この調査結果でたとえ95%という数字が出たとしても、さほど驚かなかったと思います。
ちょっと身の回りを見渡してみるだけで、現在の働き盛りの世代で、将来を楽観視している人間が非常に少ない、という「事実」をサンプルとして積み上げることなど、誰にとっても、そう難しいことでもないでしょう。
こういう高い数値がでることは、わざわざネット調査などせずとも容易に判明するにも関わらず、メディアがこの手の漠然とした的のはっきりしない調査を行うことの意味。
それを考えてみると、どうしてもメディア各社が「自社の意図するところに、将来的に世論を誘導するための補強材料をせっせと集めている」ように思えます。
最終的な狙いがその辺りにあるのなら、いっそメディアとしての自社の主張なり問題の打開案なりを、そのままアンケートで反応を問うてみたほうが、よほどすっきりするのではないでしょうか。
メディアの公正中立性は、事実報道で担保されればよいのであって、メディアなりの個性ある主張を時々に世間に調査の形で問うことはもっともっとあってよいと思います。
この調査も、「ではどうしたら、今の労働中核層が将来不安を感じずにすむか?」を、そのメディアが考える打開案の提示とともに反応調査するようなものだったなら、そしてそういう調査を通じた選択肢が数多く世に提示されているなら、おそらくもっと有意義だったと思うのですが。