2007年07月19日
内閣府のコメントには、どうにも違和感を感じるが。
新潟県中越沖地震 「要援護者情報」伝わらず
災害時の個人情報の運用について、以前も同様のケースがありましたね。
今回、新潟の方には本当にお気の毒な状況になったと思いますけれど、もし仮に同様の大地震が、ただでさえ住民の匿名性が高い東京や大阪などの大都市圏で起きた場合、このままだと、個人情報保護法を理由にした情報の伝達障害による混乱が、深刻な結果を引き起こしかねないように思います。
長岡市のように、災害などの非常時に、個人情報を民間の防災組織などに提供する積極的な意思を示しているところもありますが、これをやはり、現行法のままでは、リスクをとった行為になってしまう可能性が高いと思うのです。
災害時に、長岡市のように、そのリスクをとってまともな判断ができる自治体は、おそらく少数派に属するような気がしてなりませんが。
こういうのは、自治体に法違反のリスクを取らせるよりも、やはり個人情報保護法そのもののを改正し、非常時に弾力的な運用ができる余地をつくるべきだと思います。
確か、個人情報保護法は現在の議論の推移では、法改正自体をはかる動きは鈍く、運用を弾力的にしてカバーしようとする方向のように聞いています。
しかし、災害時の対応において、それは少し自治体の判断力に依存しすぎ、自治体にリスクを取らせすぎではないか、と思います。
記事内にあった内閣府の「高齢者を守る際に名簿は役立つ。自治体は臨機応変に推進してもらいたい」というコメントは、この表現だけを抜いてとれば、そりゃおっしゃる通りなのですが、どうにも、違和感を感じて仕方がありません。
内閣府が、個人情報保護法の不備を放置したまま、都合よく「臨機応変に」などという言い回しを使うのが、気に入りませんね。
個人情報保護法そのものをどうしてもいじりたくなければ、災害時には被害者の人命を優先するため、個人情報保護法の適用を例外として解除する趣旨の特別立法を作るとか、内閣府としてこの問題について議論を喚起するとか国会に働きかけるとかいった、なんらかの具体的アクションをとる予定なぞは、ついぞないのでしょうか。
民間の臨機応変さを期待する前に、内閣府としてできることを率先してやってほしいものだ、と、内閣府の「自治体は臨機応変に推進してもらいたい」コメントに、つい過敏に反応してしまった次第です。