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2008年08月23日

「職業訓練の受講費がタダに」って言われても、あんまり嬉しくないんじゃ…。

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ネットカフェ難民に生活費、職業訓練条件に月15万円融資へ


なんだか、考えさせられる内容の記事ですね。

ネットカフェで日々の生活を送らざるを得ない人たちは、この発表をみてどう思うんでしょうか。
私見ですけど、ありがたいと感じる人は、ほとんどいないんじゃないでしょうかね。


ところで「月15万円」という数字はいったいどうやって出したのでしょう。
金額的なインパクトだけは結構ありますね。
一瞬、「大盤振る舞いだな」と思ったくらいです。

でもこれって、要するに生活費としては出さないけれど、職業訓練を受けたい人は、受講料をタダにしてあげます。そういうことですよね。

しかしネットカフェで寝泊りする人々がなんとしても欲しいのは、まず日々の食品や宿代を捻出するための「キャッシュ」であるはずだから、「間接的になろうとも、キャッシュを彼らになんとかして渡す」という方向で、まず考えるべきだったと思うのですが、どうでしょう。

「公共職業訓練を受け、技能を身につけさえすれば、仕事がある」という発想そのものが、すでにかなりお役所的な気がします。

最近は弁護士資格の保有者や大学院生ですら、経済的にワーキングプアに近い状態の人すら珍しくないと聞きます。

技能の有る無しが定職をまったく保証しない時代に入って、すでにだいぶ経つわけですから、「技能の習得」という部分に予算をつけることの費用対効果はおそらく薄いだろう…とか、誰も考えなかったのでしょうか。


魚を与えずに魚の採り方を教える…といえば聞こえはいいが、魚の採り方を学んだところで海や湖に行くための手段を欠くのが、現在の状況だと思います。

いや、たぶん海や湖の絶対数が、すでに減ってきているのでしょう。

住居が安定しない場合、確かに直接的に生活資金を貸す仕組みを作るのは難しいだろう、というところまでは、なんとなくわかります。

生活保護の搾取が珍しくない時代ですし、犯罪などに悪用されるケースだって、無いとも言えないでしょうから。

そりゃ直接的に資金を渡してもいたずらに費消するだけでどうにもならないケースももちろん出てくるでしょうが、その一方で、数ヶ月から半年くらい現状でしのげれば、アパートを借りる目処がたつとか、アルバイトでの資金が少し溜まってくるとか、なんらかの光明をみいだせるという人も、相当数いるのではないかと思うのですが。


「現状から抜け出そうと今も努力している人を、なんとかサポートする」という思想をもっと中心に据えて、対策設計をしてもよかったのではと思います。ネットカフェ難民と一言でくくらずに、もう少し細かく見て対象層を絞る工夫をするとか、なんらかのかたちで日々の生活をするためのキャッシュが渡るような工夫を、もっとすべきだったんじゃないかと思いました。

先に対策を決めて発表する、という事ありき、で急いで策定された施策のような印象がぬぐえない…というのが、正直な感想です。


たとえばの話ですが、大手人材派遣会社と組んで、ネットカフェに寝泊りするような人だけを対象者に限定して登録してもらい、一定の無料研修期間を設けた後に、数ヶ月程度の派遣を紹介する「ネットカフェ居住者専門の派遣会社」を国の肝いりで設立する、とか。

そして国が金利負担などをすることにして、賃金は先に日払いベースで渡すようにする、とか。

じっくり仕組みを考えれば、他にもいろいろとやり様がある気がします。

職業訓練の受講費がタダねぇ…何回考えても、あんまり嬉しくはないような。

まさかこれ、わけのわからん非効率な事業ばかりやっていて批判が高まり、いよいよ解体に追い込まれそうな気配の「雇用・能力開発機構」を使った、パフォーマンスを目的とした施策でなければよいのですがね。

考えすぎですかねぇ。


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