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2008年08月30日

国の仲介サイト、「雇った責任」の落ち着き先を考えない限りは機能しない

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短期の働き口紹介、国が仲介サイト新設へ…直接雇用を促進


グッドウィルの件などを受けて日雇い派遣が原則禁止となりそうな流れのなか、厚生労働省が、インターネットサイトで日雇いなど短期の働き口を紹介するシステムを新設する、とのことです。

 これ、果たしてうまくいくでしょうか?

求人情報をネットで提供するだけなら、記事にもあるように、これまでの「しごと情報ネット」内に、短期仕事コーナーをつくれば済むこと(というか、どうも今回の施策の中味は、実はその程度ではないかと思えてなりませんが…)。

このやり方が期待薄に思えてならないのは、結局は雇う会社の側の心理を考えていない、やっつけ仕事で出した政策の印象が個人的に強いためでしょう。

結局のところ、「責任の所属」というものがストレートに採用する会社(の担当部署・担当者)にきては困るというのが、会社側のホンネではないでしょうか。

たとえば、あまりモラルが高くない人を採用してしまった場合に、本人が寝坊したとかバックれたとかで当日仕事の現場に現れない、といったケースだって、手配の現場ではごく普通に起きる、と聞いています。

そうなると、これまでは「そういう人を紹介した、人材派遣会社が悪い!」ということで、会社側としても責任の押しつけ先が、一応はちゃんとあった。

担当営業マンに電話して、文句のひとつも言った上で、代わりの人員の手配を客として強く要求する、といったことだってわりとお手軽にできたわけです。

それがいい悪いは別にしても、これで採用した会社は人材派遣会社に責任を渡し、一方で人材派遣会社は責任をしょいこむ代わりに高い手数料をとる、といったある種の「役割分担」とも言える関係があったはず。

もし直接雇用となると、すべての採用責任はストレートに、採用した会社、とりわけ採用を決定した担当部署の責任者と担当者個人に属することになるはずですね。

掲載した国の出先機関に文句をいったところで、「ネットに人材情報をのせただけ」と言われるのがオチでしょうから…。

グッドウィルの場合だって、あれほど日雇い派遣で急成長できた背景には、人手を欲しがる会社側からみて「人の手配がうまくいかなかった場合の責任の在り処が、仕組みのうえではっきりしていたから」じゃないでしょうか。

端的にいえば、人手の都合だけだったら自分の会社でもなんとかやれるが、なにかあったときの保険として必要な文句の言い先、責任の押しつけ先が、企業としては必要だった。

ほとんどそのためだけに、高い手数料を人材会社に払っていたようなお客さんだって少なくなかったのではないでしょうか。

もしそういう面が強かったとするなら、このネット経由での直接紹介は、おそらく閑古鳥が鳴くことになるでしょう。

もし仮によい人材がきて一度でもうまくいった場合は、その後はすかさず直接自社で囲い込むように手配するでしょうから、二度三度とシステムを継続利用するという流れには、なかなかなってこないんじゃないでしょうか。

結局、「仲介する派遣会社が諸悪の根源。だからそれを取り除いて、直接雇う側と働く側でやりとりする仕組みがあればいい」といったワリとシンプルな発想が、そのまま工夫もなく政策として出てきてしまったようにみえるのですが。

日雇い派遣を禁止するような事態になるほどになぜここまで派遣会社が急成長したのか…にという点についての考察と議論が、あまりちゃんとされたフシがないように思えてならないんですけどね。


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