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2009年01月17日

高校生の就職対策は、派遣切り対策と同じくらい力を入れるべき。


<内定取り消し>高校生は186人 半数いまも就職活動

失業者に優劣はないですし、高齢の失業者対策や大学新卒の就職対策も同じくらいに大切なことは、言うまでもありません。

しかし財源も限られていることですし、政策の実施にあたっての優先順位は、やはりつけざるを得ないでしょう。

この場合、いま急に派遣元から切られて住むところがない、明日の食事もままならない状態に突然置かれたという方々の救済が最優先としても、その次くらいに、彼ら高校生の就職対策を優先するべきではないか、と思います。


高校を卒業した彼らのこれからの人生は長い。

それだけ長い人生を歩む彼らが、生産や消費を通じて関わる日々の「生活経済」のこれからの有りようは、日本経済の先行きにも大きな力を及ぼすことでしょう。

正社員とそれ以外の生涯賃金差が2億~3億だかはあるらしいですから、高校卒業生の多くが無職やアルバイトの状態からスタートすると、その分だけかなりの長期間、何十年にもわたって生じた賃金格差の分が消費に回らず、乗数的に得られたはずの経済効果の減少が続くわけですよね。

全国ベースで計算してみたら、結構なトータル金額になるんじゃないでしょうか。

もちろん気の毒さという面では、50歳代くらいで職を失った方もなんら違いのある話ではないのですが。

ただ少なくとも、これから物理的に働くことのできる年数については、彼ら高校生との間には絶対的な差があるわけです。

だから国家の行く末を考える責任をもつ政府は、政策実行においては、勤務年数が誰よりも長いはずの彼ら高校生の内定取り消しといった事態を、もっと深刻に受け止め、その改善に動くべきじゃないかと思うのですが。

投票権がない彼らは、選挙の票読み上は対策として後回しになっている…なんてことは、無いと思いたいですけどね。


これからの日本を担う世代が、いきなり内定取り消しから社会人としてスタートするという状況が、あまり声高に報道されることもなく、静かに広がりつつあるいまの日本。

もっと心配なのは、このような状況が、これからの何十年かの彼ら自身の人生と日本社会の先行きに、いったいどういう影響を及ぼすのだろうか…という心理面です。

「試験や面接の結果で不採用だった」ならば、彼らなりの納得もあるでしょう。

しかしいよいよ社会に向き合おうとする一発目に、「内定取り消し」という名の約束違反を、社会の側から突きつけられる。

これは、これから自分が参加しようとする日本の社会に対するマイナスの見方を、自分の内面に強く刻み込んでしまう可能性が高いのではないでしょうか。

「100年に一度の不況だから」と説明されたところで、高校生の彼らが「しかたがない」と納得するとは、とても思えません。

わずか16~17年くらいしか生きていないこれから社会に出る世代が、そんなに長いスパンを背景に説明されたところで、感覚的に理解できるはずがないと思うのですが。

「しかたがない」という感覚がなんとなく持てるようになるのは、やはり社会に出て数年間は働いたあとの話でしょう。


みずからに落ち度無く、一方的にそのような仕打ちを受けた彼らが、今後長きにわたって日本の経済を支える中核世代となっていくわけですから、雇用政策の運営側ももっと想像力を働かせ、彼らにターゲットを絞った具体的な雇用政策を提示してほしい。

また高校を卒業した彼らを採用する企業の多くが地場の中小企業でしょうから、高校生の雇用にかかわる効果的な対策を中小企業につけるなどして、中小企業の助成策と連動する余地も高いのではないでしょうか。

派遣村のメディア報道を受け、やりたい仕事と求人企業の職種とのミスマッチの問題がクローズアップされつつありますが、彼ら高校生の場合は社会経験が無くほぼまっさらの状態のはずですから、ミスマッチの問題は無いとは言わないものの、派遣切りにあった方々と比べればかなり少ないはずでしょうし。


そしてメディアも、高校卒業生の就職難問題の露出回数自体をもっと増やしてほしいと思いますし、この問題がこれからの日本社会にもたらす意味について、さらに掘り下げた特集報道なども行ってほしいものです。


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